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ITスキル標準(ITSS)というのをご存知ですか。2002年12月に公表されたこのITSSは経産省が定めた、各種IT関連サービスの提供に必要とされる個人の能力を職種や専門分野ごとに明確化・体系化した指標であり、産学におけるITサービス・プロフェッショナルの教育・訓練等に有用な「ものさし」(共通枠組)を提供しようとするものです。 IT企業の人材開発や各種資格試験への活用にとどまらず、最近ではこれを使用し社内の専門職制度を運用したり、情報システム部門の教育に役立てようということが行われているようです。また知的財産分野のスキル標準作りも始まるそうです。 私はITSSが公表された前後の時期に、あるIT関連のショ-でこのITSS の講演会があり、そこで初めて知ったのですが、そのときはこれほど普及するとは思っても見ませんでした。以下関連する3つの記事を紹介します。 東芝ソリューション(TSOL)は、社員全員が各分野の“プロ”になることを支援する「専門職制度」の運用を始めました。社員のスキルを的確に評価するとともに、スキルアップの目標を設定。高度な専門知識の取得を促すことで、企業競争力を高めるのが狙いです。専門職は社内の各職種・専門分野で先進技術や方法論などを把握し、社内プロジェクトをリードできる社員。経済産業省の「ITスキル標準(ITSS)」に準拠し、ITSSのレベル5―7が同社専門職に該当します。 専門職の認定はTSOLの「専門職認定委員会」が行う。各社員が制度に応募したうえ、認定委員会が選考し、任命する。専門職には技術職(21職種74専門分野)と営業職(3職種9専門分野)、スタッフ職とあり、現在、専門職に該当する社員数は149人。専門職の任期は1年で、認定委員会が毎年、昇格などを検討します。 専門職のレベルは処遇にも反映させる。レベル5は課長クラスの処遇を基本としており、レベル6では部長クラス、レベル7では役員クラスの待遇を想定している。 プロジェクト管理やシステム構築技術、リスクコンプライアンス(法令順守)などの「専門職育成プログラム」を用意し専門職の育成も推進。「この業界は人が第一。社員は商品であり、さらに専門性を高めることで芸術品にしていきたい」(社長)考えです。 (7月26日日刊工業新聞) 三菱重工業は、ITSSを利用して情報システム部門60人と利用部門にいるシステム担当者230人の計290人の育成に活用するなどIT部員の育成・スキル強化を始めています。ITSSで定める11職種39専門分野のスキル区分から必要なものを取捨選択する作業を進め、その結果に、業種・業務知識や自社システムの活用の推進に関する知識・能力などを加味した上で、年内にスキル体系を策定し、その結果を人材育成に役立てるというものです。 ITSSはITベンダーが活用するケースが多いが、ここにきてユーザー企業でも普及し始めた。カシオ計算機や東京電力、松下電器産業などがITSSを採用しています。(日経コンピュータ) スキル標準はITだけではありません。 政府の知的財産戦略本部が6月に発表した「知的財産推進計画2005」が人材スキルの明確化の必要性について述べたのに対応し,「『知財人材のスキルの明確化』に関する研究会」も発足しています。企業からはキヤノン、東芝、松下電器産業、味の素、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託など、大学からは東京大学、東北大学などが参加し、知的財産に関わる人材の標準的な能力を定義する「知財スキル標準」の策定を目指します。職種や専門分野ごとにスキルとレベルを明確化し、人材育成に活用してもらう。研究成果は政府に提言する予定です。(nikkeibp7月12日) 【参考:ITスキル標準】 ITサービスの分野を、「マーケティング」「セールス」「コンサルタント」「ITアーキテクト」「プロジェクトマネジメント」「ITスペシャリスト」「アプリケーションスペシャリスト」「ソフトウェアデベロップメント」「カスタマサービス」「オペレーション」「エデュケーション」の11分野に大別し、それぞれの専門分野ごとに達成度指標、指標ごとに必要とされるスキル、熟達度を7段階で定義しています。 「達成度の指標」の項目では、例えば、「業務内容、複雑さ」「プロジェクトの規模」などといった項目ごとに指標が設けられている。また、達成度指標で提示された指標を実現するために必要とされる具体例が「スキル、熟達度」の項目で提示されている。 ITSSを用いることで、個人のIT関連能力がITエンジニアの成長段階のどの位置にあるか客観的に判断できるため、IT企業の「戦力」の正確な把握や、研修プログラム開発の際の目安となる。 「SR一筆啓上」のTOPページに戻る |
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